迷信?本当?

「授乳ができない母親がたくさんいる」

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迷信です。必要な手助けやサポートを得られれば、ほとんどの女性は授乳をする身体的能力が備わっています。


ノルウェーでは、96.6パーセントの母親が産後4週目で、ある程度赤ちゃんに母乳を与えています。¹³ 身体的に授乳が可能な女性の割合に関しては、科学者たちが同意する決定的な数値がまだありませんが、ノルウェーでここまで高い割合を達成できているとすると、当然他の国でも同様のサポートが得られれば達成できるでしょう。


乳房形成不全と呼ばれる珍しい疾患があります。この疾患の女性は母乳を作るための適切な種類の乳房組織を十分に持っていません。¹⁴ また、特定の薬剤を服用している場合は、母乳育児が推奨されない可能性があります。しかし、乳房の大半は見た目に関係なく、授乳する機能が備わっています。

迷信?本当?

「授乳するとおっぱいが垂れる」

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迷信です。これは形成外科医が言っていることではありません(形成外科医は知っているはずです)。形成外科医は、妊娠ごとに乳房が垂れるリスクが高まる一方で、母乳育児をした女性としなかった女性の乳房間に違いはほとんど見られなかったと述べています。胸が垂れること、科学的な名称を使えば乳房の下垂は、加齢や、著しく体重が低下したことがあるかどうか、喫煙などが要因となる場合がありますが、同様に妊娠自体で肌の弾力性が失われて引き起こされる傾向があります。¹⁵ ですから、垂れるリスクを気にして母乳育児を避けているのであれば、母乳育児が乳房を悪化させるものではないとご理解いただけると思います。

歴史を覆す: 乳房の構造

授乳期の乳房の全体的な構造は21世紀にようやく解明されました。内科や外科の医師たちは数百年もの間、他の多くの臓器の構造については理解していましたが、2005年にMedelaによる支援のもと、西オーストラリア大学で実施された画期的な研究において、¹⁶ 乳房がどのように母乳を作り、溜めて、運ぶのかということが確認されるまでは、乳房の構造を理解していませんでした。


160年以上、授乳期の乳房に関する医学的知識の大部分は、1840年のAstley Cooper氏の研究に基づいていました。Cooper氏は、亡くなった授乳期の母親の乳管に様々な色に着色した溶かしたロウを注射し、熱いロウが冷める前に内部で広がって溜まったため、乳管が母乳を溜めていると確信しました。¹⁷


2005年、Donna Geddes博士とそのチームは、Cooper氏が説明していた「乳管洞」を証明するものは何もないことを発見しました。これは大量の母乳が乳管に溜められていないということを意味しました。現在では、乳管は実は母乳を乳首に運ぶ細い管であることが分かっています。通常2~3 mm幅のこれらの乳管は、¹⁸ 母乳が中を流れる授乳時には68パーセント¹⁹ 拡張することができます。


実際のところ、母乳は腺房と呼ばれる小さな袋にある乳房組織に溜められています。これは房状に集まっており、乳管と呼ばれる小さな管を経由して主乳管につながっています。²⁰ 研究者たちは、従来考えられていた15~20本ではなく、片方の乳首で少なくとも4本、平均して9本の管が開口することも発見しています。²¹


Medelaが新しい発見を説明するために作成した画像は、いま世界中の多くのテキストで使用されています。

知っていましたか?

知っていましたか?

妊娠期の食事は羊水の風味に影響します。赤ちゃんが生まれると、お母さまが食べたものは母乳の味にも影響します。母乳を通じて多くの味を体験することで、あとで固形食を始めるときに赤ちゃんが様々な味をもっと楽しめるようになります。²²