母乳の味の変化
母乳にはお母さまが食べたり飲んだりしたものの風味が移ります。¹⁷⁰ そのため、赤ちゃんに将来の健康的な食事を少し味見させることができるでしょう。
研究では、定期的に果物と野菜を食べるお母さまが母乳育児で育てている赤ちゃんは、そうでないお母さまの赤ちゃんよりも、そのような食べ物を喜んで食べることが示されています。¹⁷¹ 今は大した問題には思えないかもしれませんが、子供の生まれつきの好き嫌いに直面したとき、このことは大きな問題になります。また、子どもに健康的な食事を味見させてあげることは、その関連性はまだ立証されていないものの、母乳育児が成人の肥満を防ぐことができる理由のひとつでもあります。
さく乳した母乳を離乳食に使うこともできます。母乳を上にかけたり、ピューレに入れてみて、慣れ親しんだ味を加えてみてください。できれば、新鮮な(冷凍保存していない)さく乳した母乳を使用して、生きている成分と栄養素が失われないように、あげる直前に食べ物に加えてください。¹⁷²
知っていましたか?
直接授乳は気持ちを落ち着かせます。
授乳は赤ちゃんにとって鎮静作用があります。生後1年間の間で、注射する前と注射中に授乳すると赤ちゃんが痛みに対応するのを助け、平均的に母乳育児の赤ちゃんの方が泣かないことが分かっています。¹⁷³
知っていましたか?
母乳は赤ちゃんの胸腺を育てます
母乳は、小児期とそれ以降も免疫系にとって不可欠な赤ちゃんの胸の臓器の構築を助けます。
胸腺はT細胞と呼ばれる特殊な細胞を生成し、サポートします。一部のT細胞は感染症と闘い、その他は抗体を生成するか、自己免疫疾患から身体を守ります。4か月目になると、完全母乳の赤ちゃんには粉ミルクの赤ちゃんの2倍以上の胸腺があります。また、10か月目でも授乳をしている場合、赤ちゃんの胸腺は8、9か月目で授乳をやめた場合よりも顕著に大きくなります。
他の臓器とは異なり、赤ちゃんの胸腺は思春期になるとゆっくりと衰え始めます。しかし、胸腺が生成する防御的なT細胞は一生保たれます。¹⁷⁶