他の文化圏ではどのように1か月目を過ごしているのでしょうか

起き上がって動き回りたいと願うこともステキなことです。しかし、ソファやベッドの中で赤ちゃんと過ごす以外は何もしたくないと思っていても、大丈夫です。かつてはそれは一般的な習慣であり、今も世界中でそのような習慣があります。


歴史的に、新米の母親には2週間から2か月間におよぶ「お産の床につく」期間がありました。ルネッサンス期のイタリアでは、床についている母親へチキンスープと砂糖菓子の贈り物を渡すのに、デスコ・ダ・パルト(女性の訪問客が母親のベッドサイドにいて、他の女性が新しい赤ちゃんの面倒を見ている様子が装飾された特別なお盆)が用いられていました。¹²⁴ また、比較的最近の1932年にも、アメリカの出版物が新米の母親は休息をとり、9日目まで「起き上がる」ことを遅らせることを推奨しましたが、「多くの場合、子宮が位置異常にならないように、9日間ではなく20日間ベッドにいる方が時間の節約になる」と考えられていました。¹²⁵

今でも多くの文化が、6週目までの特別な期間は、新米の母親は赤ちゃんだけに集中すべきだと考えています。¹²⁶ 例えば、タイは「ユー・ドゥアン」期間中、母親、叔母、夫が約30日間女性の面倒をみながら、母乳量を増やすと信じていられるマッサージや温かい飲み物を勧めます。一方メキシコでは、40日間の「ラ・クアレンテナ」は家族が料理、掃除、上の子どもたちの世話を手伝うとされています。 


このような最初の数週間は、授乳と触れ合いに集中する機会を自分に与えて、あらゆる面で差し伸べられる手を頼り、安心して休息してください。


文化間で異なるのは1か月目だけではありません。¹²⁷


  • ンゴルでは、いつでもどこでも授乳をすることが完全に受け入れられています。授乳について話すことも同様です。事実、むきだしの乳房を揺らすことで、かんしゃくを起こす幼児の気を完璧にそらすと信じられています。

  • 日本では、授乳をするお母さまはアプリを使って、ショップ、駅、公共施設にたくさんある無料で使える清潔な授乳室を探すことができます。このような授乳室は椅子や洗面台を完備しており、上の子も楽しく過ごせるようプレイエリアがついている場合もあります。

  • フィリピンでは、従業員が衛生的かつ快適にさく乳や母乳の保存ができるように設備が完備された「授乳ステーション」の提供が職場に求められています。

母乳の謎

母乳に含まれるビタミンやミネラルのレベルは日中や夜間で変化します。例えば、マグネシウムと亜鉛は朝に値が最も高く、¹²⁸ 鉄分は午後がピークになります¹²⁹


なぜでしょうか?学者たちが今も解明を続けています。

リマインダー

母乳育児はまだまだ始まったばかりです。慣れてくれば、これからぐんと前進するでしょう。赤ちゃんは少量の母乳を頻繁に飲みます。そのため、1か月目はとても大変で、疲れ果ててしまうことを、想像できると思います。


必要なサポートはすべて受けましょう。そして、これが永遠に続くわけではないことを覚えておいてください。翌月になれば、どのように母乳分泌が安定してくるのか、引き続きお読みください。



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