夜間の授乳についての真実

「赤ちゃんは、もう朝まで眠ってくれますか?」と聞かれることもあるかもしれません。しかし、赤ちゃんが夜中に起きることは普通のことです。


事実、研究では、1~6か月目の赤ちゃんは通常1日あたりの合計母乳量の20パーセントを夜中に飲んでいるということが示されています。¹⁴² ですから、夜の授乳は赤ちゃんの食事の重要な部分であり、赤ちゃんが必要とする栄養摂取量を満たす助けになります。赤ちゃんは安心するためだけに乳首を吸っているわけではありません。


夜間の授乳は他にも重要な機能があります。母乳は夜間に一部のヌクレオチドの量が増えます。このようなDNAを構成する物質には眠りを誘う機能もあり、赤ちゃんが健康的な起床・就寝のパターンを構築することを助けます。¹⁴³


人類の進化の観点で言うと、夜間の授乳はお母さまと赤ちゃんにとって、暗闇の時間に近くにいて安全でいるかを確かめる方法でもあります。忙しい家庭の赤ちゃんにとっては、お母さまと一対一になれる素晴らしい機会になります。¹⁴⁴


6~12か月目まで、ほとんどの赤ちゃんは夜中も起きています。700人以上の乳児を対象にしたウェールズの研究では、この月齢で80パーセント近くが夜中に少なくとも1回は起きており、40パーセントが定期的に夜中に授乳していました。赤ちゃんの1/4は3回以上目を覚ましました。また、母乳育児の赤ちゃんと粉ミルクの赤ちゃんの間で、目を覚ましたり授乳をしたりする頻度の違いはありませんでした。¹⁴⁵


ですから、粉ミルクでの授乳や6か月目より前に固形食を始めることが赤ちゃんのより良い睡眠を促すという考えは、見直した方がよいでしょう。

知っていましたか?

母乳には殺菌作用があります

母乳には抗菌と抗炎症の性質があることが分かっています。¹⁴⁶ 母乳の科学は様々ですが、多くのお母さまは母乳を赤ちゃんの発疹や切り傷の手当てに使ったり、目と耳の感染による苦痛を和らげるために使ったりしており、また、母乳は乳首がヒリヒリする場合はその痛みの緩和も促すことができます。¹⁴⁷ しかし、症状がすぐに治まらない場合は、必ず医療従事者にアドバイスを求めてください。母乳を使って新生児のへその緒をケアすることもできます。へその緒の残りに母乳を塗ると早く取れやすくなることが示されています。¹⁴⁸

¹⁴⁹ Volume and frequency of breastfeeding and fat content of breast milk throughout the day.