タンパク質の重要性
母乳には2種類のタンパク質、 ホエイとカゼインが含まれています。母乳が赤ちゃんの胃に入ると、カゼインは赤ちゃんが満腹になるのを助けるカードと呼ばれる固形物になります。ホエイは消化しやすい液状を維持します。⁷²
このようなタンパク質のバランスは、赤ちゃんの月齢とニーズに合わせて調整されます。初乳に含まれるタンパク質はホエイが最大90パーセント、カゼインはわずか10パーセントであり、⁷³ そのため新生児の繊細な胃にとても優しいです。これは、赤ちゃんがこの段階で満腹になるために少量の母乳を頻繁に必要とする理由でもあります。
赤ちゃんの腸が発達するにつれて、対処できるカゼインの量が増えるため、その割合は母乳が成乳になるまでに最大40パーセント前後まで増加します。1年以上授乳を続ける場合、ホエイとカゼインの比率は大体50:50になります。⁷⁴
牛乳の場合、このタンパク質のバランスは、 ホエイ20パーセントに対してカゼイン80パーセントで、赤ちゃんにとっては消化しにくいことを意味しています。これが、1歳未満の赤ちゃんに牛乳を与えてはいけない理由であり、粉ミルクを使用しても安全であるようにするには加工が必要な理由です。⁷⁵
迷信?本当?
「授乳すれば母親の体重が落ちやすくなる」
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本当です。母乳育児をしていると、1日あたり最大500カロリーを余分に燃焼していることになります。驚くべきことに、これと同じ量を消費するためには、毎日8 km(5 マイル)走るか、11 km(7マイル)歩く必要があります。しかし、これが実際にお母さまの体重減少を意味するかは、お母さまがどれくらい動いているか、どれくらい食べているか、などの様々な要因にもよります。⁷⁶
知っていましたか?
オキシトシンは感覚神経によって活性化します
オキシトシンは、以下の感覚神経が活性化することで、お母さまと赤ちゃんの間で生成・制御されます。
- 赤ちゃんの吸てつしたときの乳首の感覚神経
- 赤ちゃんが吸てつしたときの赤ちゃんの口の感覚神経
- 母乳が届いたときの、赤ちゃんの消化管の感覚神経
- 授乳の温かさと触れ合いによる、お母さまと赤ちゃんの肌の感覚神経⁷⁷
天然の愛情の薬であるオキシトシンの素晴らしい力について読み逃した場合は、ぜひ第2章に戻ってください。
赤ちゃんの特別な吸てつパターン
まるで赤ちゃんが「チュパチュパ」しているだけのように感じるかもしれませんが、最初の数日間、赤ちゃんは短い吸いつきと長い小休止を繰り返す特別なパターンで吸てつしています。専門家は、このパターンが母乳を出す複雑なカスケード型の反応を引き起こす刺激を促していることを示しました。⁷⁸